新型コロナウイルスに関する情報をテレビやツイッターなどで発信している倉持仁医師(48)が院長を務める宇都宮市の診療所などに虚偽の内容の貼り紙をしたとして、県警捜査1課などは17日、宇都宮市北若松原2、無職、坂本淑子容疑者(67)を信用毀損(きそん)容疑で逮捕した。

 逮捕容疑は1月16日午後10時ごろ、宇都宮市中島町のインターパーク倉持呼吸器内科の駐車場など3カ所に「コロナが拡大したのは、インターパーク内科がTVに出たため」などと書いた虚偽の貼り紙を5枚掲示し、信用を傷つけたとしている。坂本容疑者は「貼ったのは間違いないが、信用を毀損(きそん)するつもりはなく、抗議のつもりだった」と容疑を一部否認しているという。

 同課によると、坂本容疑者は倉持医師との面識はなく、周辺の防犯カメラや聞き込みなどから浮上した。

 倉持医師は毎日新聞の取材に「そのように思われてしまうことは残念。新型コロナ対策として必要なことや実際の医療現場で足りないことなどを伝え、より良くなればとの思いで発信しているので、変えずに取り組みたい」と話した。

 倉持医師はカッターの刃が送りつけられるなどの被害も受けており、同課は別の人物が関わっているとみて脅迫容疑も視野に調べている。【玉井滉大】